宇屋神庭
【うやかんば】

旧国名:出雲

神庭とも呼ばれる（大数録・雲陽誌）。南部は高瀬山・矢筈(やはず)山などを含む山地で，北方へ長い丘陵がのびる。「風土記」の健部(たけるべ)郷のうち。同書は「宇屋」について「宇夜の里と号けし所以は宇夜都弁(うやつべ)命，其の山峰に天降りましき」と述べる。地内には古墳が点在するが，北部丘陵の先端に残る神庭岩船山古墳は全長約60mの中期前方後円墳で県指定文化財。古代には，丘陵より北方は宍道(しんじ)湖面で，山陰道は東から西へ通っていたと推定される。高瀬山には，戦国期，尼子十旗の武将米原氏が拠り，甲(つめ)の丸跡ほか当時の遺構が残る。城の大手は地内神庭谷・宇屋谷であるが，搦手は尾根伝いに大字学頭(がくとう)，あるいは大原郡大竹村に通じていた。
【うやかんば(中世)】　戦国期にみえる地名。
【宇屋神庭村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【宇屋神庭(近代)】　明治22年～昭和40年の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7178022