西郷港町
【さいごうみなとまち】

(近代)明治7~12年の町名。隠岐(おき)群島島後(どうご)の南部,西郷湾に面する目貫(めぬき)村・八尾(やび)村・宇屋(うや)町(村)は西廻り海運による北前船の寄港地となり,港町として発展。それらを総称して西郷港の名が近世以来しばしば使われた。「皇国地誌」では明治8年目貫村・八尾村・宇屋村を合併し,西郷港町と改称したとある。また同書では西郷港町について,田46町余・畑31町9反余・宅地9町6反・山林161町2反・山81町,戸数545・人口2,297,うち男1,131・女1,166,200石以上船1・100石以上船7・100石以下荷船28・漁船427,西郷港については,1か年出入船350艘,出荷物はサバ1万5,000貫・スルメ7万8,000連・杉丸太2万本・間板4万3,000間,入荷物は米3,500俵・砂糖4,500斤・舶来織物4,000反・小間物200品・呉服反物1万反・綿200貫・塩1万8,000俵・石炭油80箱・種油78挺・ローソク78貫・鉄30束・紙6,000束とある。水祖神社・東山神社・日御碕神社・諾浦神社,中町小学校(男81・女34)・西町小学校(男88・女20),4等郵便役所があった。物産はスルメ7万2,000連・サバ3万2,000尾・ブリ7,000尾・イナダ5,000尾・タイ1万5,000尾・アジ3万尾・アワビ250斤・ワカメ1,500貫,古物品を,小浜(おばま)(福井県)・境(さかい)(鳥取県)・松江・長崎等へ輸送。職業は農業28・農漁業26・商業54・商漁業153・船業49・船稼120・医業7・工業21・鍛冶4・桶工業9・旅籠屋37・船工13・紺職2・酒造業8・雑業250・漁業212,女は商業23・旅籠屋18・仕立洗張31・雑業750と記す。明治12年周吉郡中町・東町・西町となる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7179144 |





