瀬崎①
【せざき】

八束(やつか)郡島根(しまね)町東端に位置する第２種漁港。古くから日本海沿岸漁業基地で，逐次港の整備が進む。瀬崎について「風土記」に「瀬埼。礒なり。いわゆる瀬埼の戍(まもり)是なり」とみえ，「風土記抄」には「仙崎」とも記されている。瀬埼の戍は，律令制下に隠岐への航路の起点であった「千酌(ちくみ)の駅(うまや)」に属し，当地への舟の出入を監視し，海上の警備所として戍卒(さきもり)（防人）を置いたところ。集落の北東大字野波(のなみ)の標高約100mの丘の上にある。面積約２a，ほぼ円形の平坦地で，東側の断崖絶壁となって海に面する方には，今なお石垣が残存する。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7179694