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立久恵峡県立自然公園
【たちくえきょうけんりつしぜんこうえん】


出雲市南部,神戸(かんど)川上流の乙立(おつたち)町にある立久恵峡を中心とした県立自然公園。総面積4.11km(^2)。昭和39年4月指定。それより先,昭和2年4月,公園全体が国の名勝・天然記念物に指定される。立久恵峡は,約2kmにわたり,安山岩質角礫集塊岩が風化水食作用を受けて形成されたもので,天柱峰などの大岩柱をはじめ,袈裟岩・神亀岩・普賢岩・文珠岩などの奇岩・怪石が連なる。ここは,かつて山岳宗教の修験場であり,9世紀初頭には,真言宗の七堂伽藍42坊が設けられ,「出雲の立久恵」の名で知られていた。渓谷の一角に,五百羅漢が当時の遺跡として残る。また峡谷の中央部には,立久恵薬師を安置する曹洞宗霊光寺がある。一帯は,学術的にも貴重な天然林があり,イワヒバ・セッコウ・スミレモなどの大群落がみられる。他にツメレンゲ・トウシモヅケ・ヒメウツギなどが群生し,中でもオッタチカンギク・オオメイマンネングサは珍種とされている。渓谷沿いに展望台・回遊道路が設けられ,四季を通じて行楽客を集めている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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