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備後街道
【びんごかいどう】


出雲から備後に至る江戸期の道。3筋がある。1つは出雲郷(あだかや)(東出雲町)で山陰道から分かれ,広瀬・布部・西比田(以上広瀬町)・亀嵩(かめだけ)(仁多(にた)町)・横田・小馬木(こまき)(以上横田町)を経て,大峠から備後由木に至る。2つは湯町(玉湯町)で山陰道から分かれ,大東(大東町)・佐白(さじろ)・三成(みなり)・上阿井(以上仁多町)を経て,王貫(おうぬき)峠から備後高野に至る。3つは宍道(しんじ)(宍道町)で山陰道から分かれ,三刀屋(みとや)(三刀屋町)・掛合(かけや)(掛合町)・頓原(とんばら)(頓原町)・赤名(あかな)(赤来町)を経て,赤名峠から備後布野(ふの)に至る。特に第3の道は,赤名宿で大森銀山からの銀山街道とが合し,先の三次(みよし)(広島県)では尾道街道と広島街道とを分けているため,木綿・染地・肴・小間物などの物資運送に利用された。明治20年頃島根県の道路改修事業によって,馬車の通行が可能となり,ほぼ現在の国道54号にあたる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181010