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布施港
【ふせこう】


隠岐(おき)郡布施村大字布施にある第1種漁港。隠岐群島島後(どうご)の東海岸に位置。近世からの木材移出港。布施村は山林経営政策が早くから行われ,「隠州視聴合紀」に「良材多く此より出す故に制ありて斧斤時を以て入る」と見える。また木材運搬の大船を多く所有,「隠州記」には「古来より良材多し,船数二十五艘内大船五艘」と記す。享保年間には,村有林の制が整備され,植林・伐採が計画的に行われ,近世末期には隠岐第1の木材産地となり,回船の数も増加,当港はスルメ・塩干魚等の水産加工物の移出港としても重要な役割を果たした。明治33~40年に港の北端,崎山(さきやま)岬から松島に至る間に長さ50間の石造防波堤を築造(隠岐島誌)。港内に平島,湾口に松島,また当港の北には国の名勝・天然記念物浄土ケ浦(じようどがうら)があり,観光地としても開発されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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