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安来港
【やすぎこう】


安来津(やすぎのつ)・安来浜ともいった。島根県の東端,中海(なかのうみ)に面した安来市安来町にある港湾で,地方湾に指定されている。「増鏡」(寮本)第16巻久米のさら山の隠岐へ遷幸の章に,後醍醐天皇が「出雲の国やすきの津という所より,御船にたてまつる。大船二十四艘,小舟どもはし(傍)に数知らずつけたり」とある。また「出雲国造家文書」の安来の項正平12年1月の条にもみえる。「雲陽誌」には安来浜の名がある。「風土記」の頃および元弘の乱当時の安来の津(港)が現在の境域より南方に入海になっていたことは明らかで,中津・今津・砥神(とかみ)島・羽島(はしま)・門江(かどえ)浜・後幸(小)路・西幸路・東幸路,また離れて輦山(くるまやま)などの関連のある地名が多い。古くから鉄の積出港として栄え,現在3,000t級の船が接岸する岸壁工事や,港湾に接続する伯太(はくた)川河口付近に工場用地の造成工事が行われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181655