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矢田の渡し
【やたのわたし】


大橋川下流部にある渡し。南岸の松江市矢田町矢田本郷の井の奥と北岸の松江市朝酌(あさくみ)町矢田を結ぶ。流長7.6kmの大橋川の上流部には宍道(しんじ)湖大橋・松江大橋・新大橋の3本の橋があるが東部下流部には橋がなくこの渡しが大きな役割を果たしている。現在は小動力船が渡船に用いられ普通自動車も渡している。この地点は「風土記」に「朝酌促戸渡(せとのわたり)。東に通道あり,西に平原あり,中央は渡なり」とあるところである。かつて山陰道から分かれた枉北道(きたにまがれるみち)がこの地点で島根半島へ渡っていた。奈良期は南の意宇(おう)郡と北の島根郡を結ぶ重要な庶民の渡しであって,公用の渡しは,この東の朝酌渡(あさくみのわたり)であった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7181683