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八束郡
【やつかぐん】


(近代)明治29年~現在の島根県の郡名。明治29年8月1日島根県で郡制が施行されたとき,出雲国北部東半の旧島根・意宇(いう)・秋鹿(あいか)3郡が合併して成立。旧島根・秋鹿2郡は中海(なかのうみ)・大橋川・宍道(しんじ)湖の北にあり,旧意宇郡はその南にあった。郡名は「風土記」にみえる国引きの神八束水臣津野(やつかみずおみつの)命にちなむ。郡役所は松江市殿町に置かれる。明治22年4月成立の松江市周辺のいわばドーナツ状の郡である。明治20年代には宍道湖南岸に国道が整備され,同43年国鉄山陰本線米子・宍道間が開通し,八束郡の南半旧意宇郡部分には揖屋(いや)・宍道などの町が発展。乃木村には同33年県立農林学校が開校。戸口は同33年12月1万6,106戸・7万7,933人,大正元年12月1万5,826戸・8万659人(島根県統計書)。大正12年郡制は廃止。昭和9年津田村が松江市へ編入。昭和10年12月の戸口は1万5,338戸・8万7,175人,産業別戸数は,農業9,828・水産業1,583・工業903・商業1,294・交通業207・鉱業94,計1万3,909(島根県統計書)。昭和14年川津村,同23年法吉(ほつき)村,同25年竹矢(ちくや)村・乃木村,同26年忌部(いんべ)村・大庭(おおば)村の一部,同28年生馬村・持田村,同30年古江村・本庄村,同35年大野村・秋鹿(あいか)村がそれぞれ松江市に編入された。昭和50年10月1日現在の八束郡は鹿島町・島根町・美保関(みほのせき)町・東出雲町・八雲村・玉湯町・宍道町・八束町の7町1村からなり,面積279.47km(^2)・世帯数1万3,412・人口5万6,717である。郡の東北部の島根半島東部の海岸美はすばらしく,昭和38年美保関町・島根町の日本海岸は大山(だいせん)隠岐国立公園に編入された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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