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八名塩の往還
【やなしおのおうかん】


大田(おおだ)市大森から尾道(おのみち)(広島県)に至る江戸期の道。道筋は大森・荻原(以上大田市)・別府・小原・浜原・九日市・酒谷(以上邑智(おおち)町)・赤名(赤来(あかぎ)町)から三次(みよし)・尾道(以上広島県)まで。石見銀山の灰吹銀・銅・上納銀は,毎年10,11月頃この道を経て尾道から大坂へ輸送された。大森には石見銀山の陣屋があり銀山街道とも呼ぶ。八名塩坂は荻原(おぎわら)・小原(粕淵(かすぶち))との間にある難所で,嘉永7年5月の「御用伝馬人足継立定書」に「八名塩坂難場につき荻原村,粕淵村のいずれより継立候ても人足一人につき銭拾文宛増銭賃のこと」とある。赤名宿では三刀屋(みとや)からの備後街道が合する。石見からはコウゾ・扱苧(こきお)・魚類,安芸からは古手・小間物類が輸送された。谷別府から粕淵までは山上を通り,遠く三瓶(さんべ)山を望み風光絶佳である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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