100辞書・辞典一括検索

JLogos

18

倉敷往来
【くらしきおうらい】


江戸期,岡山から美作倉敷(英田(あいだ)郡美作町林野)に至る道。約16里。岡山城下の兵団を起点とし,旭川右岸の堤防上の道を宿―原と進み,左岸の牟佐へ舟で渡り(以上岡山市),下市(赤磐郡山陽町)―西窪田―町苅田―西軽部―多賀―出屋―小原―惣分―堀切峠(以上赤磐郡赤坂町)を越えて現在の吉井町に入る。堀切峠越えの道は今は廃道になり,主要地方道岡山美作線は仁堀東―菊ケ峠―光木を経て,光木―福田―周匝(以上吉井町)を経て,再び旧道と重なって吉井川畔に至り,美作国勝田郡飯岡(ゆうか)村(英田郡英田町)に渡る。ここから岡山まで9里8町(吉備温故秘録),飯岡から吉井川の支流吉野川沿いに王子―青野―鳥渕(以上久米郡柵原(やなはら)町)―湯郷―美作倉敷(以上美作町)に達し,ここで出雲往来につながった。牟佐は古代山陽道の渡し場であり,山陽町地内では備前国分寺付近を通った。町苅田は18世紀末頃には「当村は因幡海道の駅にて,町並みの都会なり」(吉備温故秘録)とされているが,美作倉敷から出雲往来の土居宿を経て因幡に通じる要地であった。江戸期の馬継ぎの宿場で,山口―伊田越え―金川(御津郡御津町金川)の道がここから分かれ,金川からは津山往来・金川往来に連絡した。現在は主要地方道岡山吉井線が岡山~林野間を結んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7183540