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瀬戸内海国立公園
【せとないかいこくりつこうえん】


東は紀淡・鳴門,西は豊予・関門の4海峡内の瀬戸内海沿岸に散在する国立公園。昭和6年国立公園法が制定され,同9年岡山・香川・広島3県にまたがる備讃瀬戸の景勝地が選ばれて,瀬戸内海国立公園となった。同31年指定区域が拡張され,1府10県の海岸線の約15%に及ぶ規模となった。瀬戸内海は多島海であり,花崗岩の分布が広く,そのため岩石の風化が進み,海岸の砂礫は白色を呈する。周囲は中国・九州・四国山地に囲まれるため,季節風の影響が緩和され,気温は温暖で,降水は初夏に集中し台風の襲来も少なく,冬の降雪も稀で,わが国でも寡雨地域に属し,松の生育が優勢である。この温和な気候と白砂青松,多島海美,灘と瀬の連なる海底地形から織り成す潮流の変化のおもしろさ,さらに,航行する色とりどりの船舶の姿,山頂まで耕された島々,バットランドのため山腹から山頂にかけて散在する奇岩,このような自然と人文景観が一体となり,人々の美的憧れを引きつけてきた。県内では倉敷市児島の鷲羽山,玉野市の王子ケ岳,笠岡市白石島・高島を中心とした笠岡諸島,笠岡市街地周辺の応神山・古城山公園などが有名である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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