100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

氷ノ山後山那岐山国定公園
【ひょうのせんうしろやまなぎさんこくていこうえん】


中国山地東部にある国定公園で,英田(あいだ)・勝田・苫田3郡の北部から兵庫県西部,鳥取県東部にまたがる。面積約4万ha。昭和44年国定公園に指定。岡山県の公園区域は後山・那岐山・大ケ山~黒岩高原の3か所に分かれている。氷ノ山は兵庫県に属する。後山は岡山県北東部,英田郡東粟倉村と兵庫県千種町との県境にあり,標高1,344.6mの県下最高の山。標高600m以上は古生層の硬い粘板岩,山頂は中生代末の安山岩で,断崖絶壁をなし修験道の霊山で,女人禁制を守ってきた。山麓に道仙寺がある。山頂付近はブナを主体とする落葉広葉樹林があり,後山原生林と呼ばれている。那岐山は標高1,240.3mの山で西の標高1,196.5mの滝山まで連峰をなし,北の鳥取県八頭郡との県境をなす。東部の山腹にある,勝田郡奈義町の菩提寺は奈良期行基の開基といわれ,平安末期法然が少年時代を過ごしたという。菩提寺のイチョウは国天然記念物である。山頂は緩傾斜をなし簡易な登山に適し,その遠望は素晴らしい。大ケ山は苫田郡加茂町と阿波村にまたがり,標高990mの山頂は平坦で遠望がよく,ハイキングに適する。黒岩高原は大ケ山北東の標高900m前後の平坦な草原で,夏はキャンプ,冬はスキーに好適なところである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7186193