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伯耆往来
【ほうきおうらい】


江戸期,出雲往来の久世宿から分かれて伯耆国(鳥取県東部)に至る道。久世―三坂乢(以上真庭郡久世町)―釘貫小川―湯本(以上同郡湯原町)―下長田―犬挟峠(以上同郡八束(やつか)村)を経て倉吉(鳥取県)に至る道と,釘貫小川から分かれて土居―藤森(以上湯原町)―延助と険阻な山道と広大な蒜山高原を抜けて内海乢(以上真庭郡川上村)で美伯国境を越えて下蚊屋(鳥取県)経由で米子に達する2路線があり,慶長8年森忠政の美作国(津山)入府以来,整備が進められた。津山~犬挟峠間は14里28町(新訂作陽誌)。前者は信仰と牛馬市のための大山道であり,後者は鉄・木綿・煙草など特産物の運搬路であった。牛馬背で運ばれた物資は久世河岸から高瀬舟で備南地域へ送られた。難路であった三坂乢越えの道は廃止され,現在は国道313号が勝山から北進して釘貫小川に通じている。備中では新見―高尾―上市―谷内―木戸―芋原(以上新見市)―三坂―和忠(以上阿哲郡神郷町)を経て,谷田乢を越えて石見(鳥取県)に至る道が伯耆往来といわれ,新見で新見往来や高梁川の高瀬舟舟運と接続した。また,津山―一宮(以上津山市)―香々美(苫田郡鏡野町)―上斎原―人形峠(以上同郡上斎原村)―倉吉と結んだ倉吉往来(美伯往来ともいう)も伯耆往来の1つであった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7186457