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山田港
【やまだこう】


玉野市の東部にある県管理港湾。波張崎と黒山鼻を結ぶ線の北西側を港湾区域とする。水浅は5m未満で,胸上港も含まれる。古くは付近一帯は遠浅であったため「吉備温故秘録」によれば「舟着悪し」とある。埋立てにより,沼浜(元禄14年),中浜・岡浜(享保2年),合田浜(天保3年),東野崎浜の南浜(天保12年),同じく北浜(文久3年)などが築造された。明治期には,落合川河口付近に防波堤が築かれ,食塩を運び出していた。また,港の改修工事も行われた。山田の地名は,山間にある田の意で名付けられたといわれるが,屯倉が置かれた時,蘇我稲目と関係のある葛城山田直瑞子を田令に任じたことで名付けられたという説もある(山田村誌)。現在,東野崎浜の南浜は荒地,北浜にはナイカイ塩業の工場があり,イオン交換樹脂膜製塩法による製塩や化学肥料などを製造している。胸上港も江戸期の加子浦で,現在でも漁港として漁船の出入りが多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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