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安芸灘
【あきなだ】


広義には芸予諸島から西,防予諸島から北,山口県大島(屋代島)の東端と下蒲刈島を結ぶ線から東を指すが,狭義には中心部の防予諸島―倉橋島―下蒲刈島―大崎下島―大角鼻で囲まれた海域をいう。なお,その南限を北緯34°にする場合もある。芸予海峡部を除いた面積は574km(^2)で,瀬戸内海全体の3.35%を占め,平均深度は36.1mで容積は8.19%になる(瀬戸内海の気象と海象)。岡村島(愛媛県関前村)や豊浜瀬戸(豊島と大崎下島の間)の南沖合いは関善灘や斎(いつき)灘の称があり,内海の主要航路で漁業も盛んである。東西航路で斎島~安居島の北側のルートはクダコ釣島水道から北九州へ向かい,南側のルートは釣島水道から豊後水道や北九州へ向かう。灘の西部は広島・呉(阿賀・仁方)~松山の航路,東部では竹原~波方の航路,さらに三原~松山の高速船が斜交するなど,多くの船が輻湊する。水深は約20~60m程度で凹凸がある。本県域では県下の海面を6漁場に分けているが,広義の安芸灘は豊田郡域の豊浦漁場,旧賀茂郡沖の大芝漁場,安芸郡域沖の上浦漁場・下浦漁場に分かれている。狭義の安芸灘は蒲刈諸島から南の上浦漁場(網・延縄など)と,東にある豊浦漁場(冬~春のアビ漁によるタイ釣など)となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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