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五日市漁港
【いつかいちぎょこう】


広島市佐伯区にある漁港。県管理の第2種漁港。八幡川の河口から,西は三筋川(岡ノ下川)の河口を結ぶ一帯を中心に漁業区域があり,津久根島付近まで漁業権が広がっている。海老(かいろう)山の西にある入江の西側は,かつては三筋川河口まで塩田が広がり,海老塩浜と呼ばれた。海老山はえびやまとも呼ばれ,その南端は海老山ノ鼻で,東側にも古く塩浜があった。海岸の沖合い一帯はカキやノリのための篊があり,養殖が盛んでカキが8割を占める。「五日市町史」上巻によれば,海老塩浜を含む五日市港の周囲の新開地の造成は17世紀であり,港の主な活動もその頃からと推定される。そして,製塩用の石炭を積んだ大島の石炭船や干鰯(綿作用の肥料)を積んだ北前船も入ったという。「芸藩通志」によれば,五日市村で70石を最大とする船を含めて13艘,海老塩浜で25石以下の船6艘があったという。現在五日市港には漁船のほか,レジャー用のボートやヨット,釣船などもみられる。昭和57年の登録漁船は74隻,365総tで,陸揚量4,577t(昭和54年3,705t,55年5,875t,56年4,213t)の内訳はカキ4,545t,アサリ23t,ノリ9tなどである。県外出荷は57%で主にカキ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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