歌島
【うたのしま】

旧国名:備後

瀬戸内海に浮かぶ向島の古名。今川了俊の「道ゆきぶり」に「むかし此所をらうじける人，和歌の道にすける心ふかきあまりに，おりたつ田子いりぬる海人までも，歌をなんよませつゝ歌のしまといふ」とあるが（群書18），和泉式部の当地寄留伝説とともに，島名に仮託した話と思われる。中世末期には尾道に対する島の意で，向島と呼ばれるようになった。
【歌島郷(古代)】　平安期に見える郷名。
【歌島(中世)】　鎌倉期から見える地名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7187787