100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

大西港
【おおにしこう】


豊田郡大崎町にある港。大崎上島の北部,内浦の西半を占める。県管理の地方港湾。本土側の安芸津港との間にカーフェリーがあり,建材としての砂の荷揚げが盛んである。古く竹原や広島に連絡したローカル航路の1拠点で,港区内には,かつての船着場の原下(はらげ),長島へ町営のカーフェリーが運行する六軒,安芸津~大西港航路のフェリーが一部寄港する大串などの小拠点がある。住吉,大崎上島の東北部を大東と呼んだのに対して,西部にある当地を大西と呼んだとみられる。当地から積出しの藩米は安芸津(古くは三津)の米蔵に納められ,大坂へ送られた。また塩浜があり,塩や塩木の輸送も含めて,江戸期には450石以下の船81艘を浮かべ,船乗業も多かった。明治になっても吉名と六軒の間の航路はあり,大西は竹原から大崎上島の古江―白水―矢弓―脇ノ浦―六軒を結ぶ航路の終点でもあった。そして,昭和40年代までは大西から大崎下島―豊島―斎(いつき)島航路の発着地であった。港口の長島その他が荒波を防ぎ,船着場のある大西の沖は-20m台にもなるが,西の大串は七七見(ななみ)島への陸繋化があり,内湾の旧船着場は干拓後沖出しされた。安芸津連絡だけのフェリーのルート関係で,昭和58年では17万7,227人の乗降人員で木ノ江港の2分の1強となっているが,海上出入貨物の計は79万4,944t(うち自動車航送75万9,600t)で木ノ江港の3倍弱で,逆の現象を示す。同年の出入船舶は6,941隻,129万2,256総tで,うち自動車航送は6,570隻,123万5,160総t。港内には修理中心の小造船所があり,地元や大阪方面のケミカルタンカーや地元のフェリーがドック入りする。現在,長島旧塩田に中国電力の火力発電所を建設中。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7187996