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銀山道
【ぎんざんみち】


島根県大田市大森町の大森銀山から尾道市や上下町,府中市などを経由して岡山県へと通じていた道。大森銀山は,尼子・大内・毛利氏の争奪の場となり,江戸期は幕府領で代官所が置かれ,広島県内の幕府領であった上下に享保初期に代官の出張所を置いた。大森銀山で生産された灰吹銀の大坂納は毎年10~11月に1年分を御銀蔵に送付するもので,尾道~大坂間は御手船であった。陸路の尾道までは石州御運上道ともいわれ,大森―浜原―九日市―赤名―布野―三次(みよし)―吉舎(きさ)―甲山―御調(みつぎ)(市)―尾道の行程であった。一方,慶長6年大森が幕府領大森代官所となって以降,18世紀前半,本県の神石(じんせき)・甲奴(こうぬ)・安那の各郡を支配する上下(幕府領)を支配下に置いたため(出張陣屋),両地は,政治・経済を通じて密接な関係を保ちながら幕末を迎えた。このルートの延長は神辺(かんなべ)に通じ,西国街道を東行すれば倉敷の幕府領があった。尾道から赤名越のこのルートは松江や出雲大社にも通じていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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