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縮景園
【しゅっけいえん】


泉邸ともいう。広島市街のやや北寄りの中区上幟町(かみのぼりちよう)にある庭園。国名勝。藩主浅野長晟が別邸として元和6年に築造。宗箇流の祖となった茶人上田宗箇の作庭で,入口正面に数寄屋造りの清風館,築山に悠々亭といった茶室・茶亭を設け,中央に掘った濯纓(たくえい)池の回りに山水,花鳥を巧みに配した回遊式庭園。北の二葉山と西の己斐(こい)連山を借景としている。池を南北にまたぐ太鼓橋は,7代重晟が京都から清水七郎右衛門を招いて改造させたもので,跨虹(ここう)橋と呼ばれる。縮景園の由来は,中国の西湖周辺の景色を模して縮小したという説と,一般の山川の景,京洛の態,深山の趣を集約したとする説がある。昭和15年,浅野家が広島県に寄付してから,一般に開放された。昭和20年に投下された原爆で壊滅したが,県による復旧で往時の姿を取り戻しつつある。県立図書館・県立美術館が隣接し,数百m西に広島城跡もあり,市民の憩いの場である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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