100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

立花漁港
【たちばなぎょこう】


御調(みつぎ)郡向島町にある漁港。向島の南部,旧立花村の沖合いを占める。町管理の第1種漁港。陸繋状の城山(57.2m)の南端,観音崎(観音鼻)から西へ長礁鼻(ナカイソ)を結んだ線内が港域である。観音崎の南沖約7kmには,東から西の長礁鼻沖に向かう立花ノ州(浅瀬)があり,海岸との間付近の水深27~37mに比べて,10~17m程度と浅くなっている。中世因島村上氏は余崎に築城し,東側の入江を船隠しにしていたという。昭和13年頃には,立花小学校付近の海岸から東回りで,干汐~大町経由尾道行きの便船があり,大人1人15銭であったという。江戸初期には向島東村・向島西村があり,「芸藩通志」によれば,嘉永年中に立花村が向島西村より独立したという。特産のハマヒルガオの実は強壮剤に利用された。農業神として荒神祭りとともに6月の「かげん」(厳島神社の管絃祭にちなむ行事)があり,漁業祭礼も行われている。昭和57年の陸揚量190t(昭和54年126t,55年143t,56年121t)の内訳は,ノリ101t,アサリ57t,タイ6tなどで,地区消費される。向島町漁協に属し,19隻,31総tの漁船,27の漁業経営体がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7189696