津久茂港
【つくもこう】

安芸郡江田島町にある港。江田島の西部，江田島湾の北岸に位置する。町管理の地方港湾（乙種）。標高263mの山地の南麓急傾斜地に発達した津久茂の集落の港である。津久茂は島の外れにあり，古くから交通は海上が中心であった。明治期には対岸の能美島へ，さらに江田島湾内の宮之原・矢之浦へ櫓こぎの渡船が通っていた。大正に入り，発動機船朝海が能美島に就航し，途中，寄港して広島へ向かった。その後，湾内循環船共栄丸や，広島への直行便も運航するようになったが，昭和30年４月，陸路の呉市営バスが開通し，それが整備されると同45年９月広島便が廃止され，湾内循環船も同47年３月廃止された。昭和58年の入港船舶は120隻，1,188総ｔで，自動車航送はない。海上出入貨物は702tで，うち移出が650t。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7189788