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東城道
【とうじょうみち】


福山市加茂町下加茂から神石(じんせき)郡油木町を経て東城に至る脇街道。現在の国道182号に当たる。加茂の谷から分かれて旧郡境の深安郡加茂町と芦品(あしな)郡駅家(えきや)町(現在はいずれも福山市内)を北上し,高度500~600mの神石高原に入り,油木に通じる。古い街村集落は油木の中心部で,町並みの西には延喜2年に宇佐八幡より分請したという油木八幡があり,その社叢は県天然記念物に指定されている。神石郡を含む備後一帯は9世紀頃にはすでに鈩による鉄の産地であったようで,油木町の南の安田には近世の鈩場の跡が残る。東城道は鉄や米を運び出し,塩を運び込んだ道でもあった。なお,道筋に沿って油木町南端の福山から約28km,東城から約27kmの位置に小吹の地がある。ここは古く油木一帯で生産された鉄を馬で運び,内海からの塩や日用品をこの辺りで交換したといい,古い町筋には大黒屋・ます屋・問屋などの屋号の家がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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