泊漁港
【とまりぎょこう】

尾道市，百島（百島町）の南東部を占める漁港。昭和27年10月指定の市管理の第１種漁港。北の福田港に対置される。昭和15年に護岸工事が施工され，同26年には防波堤が完成した。周辺は，北東対岸の常石（沼隈郡沼隈町）にある造船所関係の新造・修理の大型船の航路や泊地を除いて，ノリの養殖場であり，一部ではカキもある。同市浦崎町満越(みちごえ)にある浦島漁協は，浦崎町の北岸にある串浜，南岸にある海老の各漁港に当港を加えて構成されている。百島近海や弓削島付近にかけてタイ・チヌ・フグなどの一本釣りもある。港は西風を防ぐ位置にあり，潮待ちの船もあったと思われる。鞆（福山市）を出て西行する場合，田島と横島（ともに沼隈郡内海町）の北側を通り，口なしの海と呼ばれる阿伏兎ノ瀬戸から西へ布刈(めかり)瀬戸を目指すこともあり，その際泊港はその中間に位置する寄港地であった。現在，尾道―田島―横島のカーフェリーが寄港する。昭和57年の陸揚量421t（昭和54年230t，55年422t，56年407t）の内訳は，アサリ278t，ノリ35t，タイ類22t，カキ９ｔなど。出荷先は，地区向け８％，県内向け92％。71隻，95総ｔの登録漁船，132の漁業経営体。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7189950