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中田港
【なかたこう】


佐伯郡能美町にある港。県管理の地方港湾(乙種)。江田島湾内,西能美島の東岸に位置し,トトウガ鼻と宗崎とを結ぶ海域である。中町港と高田港からなり,両港の名称を合わせて中田港と呼ぶ。天然の良港で,古くから寄港地・避難港として栄えた。高田港は宮島管絃祭の時の御座船のお供をする御供船を出す。これは,元禄14年宮島沖で嵐のため遭難しそうになった御座船を助けたことで厳島神社から御供船の許可状をもらったことによるといわれる。戦時中は呉軍港施設に伴う要塞地帯に入った。しかし,戦後は海運業が栄え,石炭を運ぶ一杯船主の機帆船が港を埋め,造船所・鉄工所もできた。だが,石炭産業の衰退で,昭和40年で姿を消した。現在は中町港が整備され,能美町役場も港の近くに移転してきた。広島へはフェリー・高速艇が就航し,途中高田港に寄港して北上する。中心は高田港を主とするカキ養殖である。海岸浅瀬はカキ種付場となり,沖合いにカキ筏が浮かぶ。昭和58年の入港船舶は1万6,677隻,173万2,676総t(うち自動車航送5,291隻,135万7,255総t),乗降人員69万8,872人,海上出入貨物75万5,237t(うち自動車航送73万7,685t)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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