100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

南原峡県立自然公園
【なばらきょうけんりつしぜんこうえん】


広島市の北端,安佐北区可部町地区北方の南原峡を中心に広がる県立自然公園。面積925ha。昭和42年指定。高田郡千代田町との境にそびえる冠山(735.7m)や備前坊山(789.4m)ならびに堂床(どうとこ)山(859m)に囲まれた太田川支流の南原川は,南北方向の断層に沿う直線谷をなし,深く刻み込む。約2kmの渓谷には,落差30mあまりの加賀津ノ滝や石采ノ滝(いしうねのたき)をはじめ,急流・瀑布・淵が続き,両岸には獅子岩・竜頭(りゆうず)岩などの岩峰,比高100mを超す懸崖もそそり立つ。落葉樹・広葉樹が多く,紅葉が美しいほか,シャクナゲやツツジも楽しめる。渓谷内にはムカシトンボ・キタガミトビケラなどが生息するほか,鳥類・昆虫類も多く,昆虫採集に絶好である。渓谷東側は県鳥獣保護区に指定されている。また,花崗岩地帯の浸食が激しいため,南原川は砂防指定区域であり,渓谷西側は保安林である。上流部に明神ダムがあるほか,下流に揚水式発電施設(62万kw)をもつ南原ダムが完成しており,豊富な自然環境に人工美を組み入れた総合的な公園になるよう計画されている。三次風土記の丘から通じる広島県自然歩道は,この地を回った後,南の福王寺を通り,南西へ向かう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7190121