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箱崎漁港
【はこざきぎょこう】


沼隈郡内海町,田島東端にある港。県管理の第2種漁港。港域は備後灘側と北側の内浦一帯を含む。約80世帯のほとんどが沖合いの備後灘で操業し(小型底引き・網漁),漁船の規模は10t以下である。田島の南岸は備後灘の波食を受けて海崖がみられるが,海崖の間の入江は流砂で陸地が形成されている。そして,箱崎とその西にある明神との間の突出部で潮流が沿岸方向と沖合いに分かれるようで,前者が箱崎に砂嘴を形成させたものと考えられる。砂嘴とその先端の波止は備後灘を北上する危険な南風や,冬に一般的な西風から守られる形となっている。古代の沿岸航路のあった阿伏兎(あぶと)ノ瀬戸の西側にあり,東にある鞆の浦との間は備後灘の風波に直接さらされるため,風波の荒れる場合は,箱崎は一時的な仮泊地であったと推定される。元来,室津や室尾などが安全な泊地につけられた名称であるように,箱も室と同義に解される場合がある。田島漁協に属し,昭和57年の登録漁船は166隻,466総t,漁業経営体66。陸揚量1,891t(昭和54年1,391t,55年1,851t,56年2,053t)の内訳は,ノリ1,597t,タイ41t,アサリ27t,エビ類26t,ボラ24t,イカ数13tなどで,養殖や網漁である。出荷先は地区88%,その他の県内12%。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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