100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

比婆道後帝釈国定公園
【ひばどうごたいしゃくこくていこうえん】


島根県境をなす比婆山連峰(西城町・比和町),鳥取県境道後山(西城町・東城町)を中心とする備北山地一帯,高梁川上流の帝釈峡(東城町・神石町)を合わせた国定公園。総面積7,808haのうち,本県分は4,733ha。昭和38年指定。道後山(1,268.9m)は,南西部に緩斜面をもち,広大な草原は冬にはスキー場となる。比婆山連峰の比婆山頂には伊邪那美命の御陵とされる円墳があり,比婆山伝説の地として県史跡に指定されている。また,この山の100haに及ぶブナ純林は国天然記念物。吾妻山(1,238.8m),山頂に残る平坦面に草原が広がる池の段(1,279.5m)や竜王山(1,255.8m)が連なる雄大な山岳地帯をなす。連峰南端の竜王山南麓に懸かる那智ノ滝の下に熊野神社が鎮座する。神社はもと比婆山神社で,伊邪那美神を祀る。比婆山連峰の区域1,164haは,明治百年記念事業の一環として昭和46年に開かれた県民の森でもある。また,吾妻山一帯は国民休暇村の指定を受け,山の家が設けられた。比婆山・吾妻山両山には自動車道が通じている。帝釈峡は,国名勝の石灰岩峡谷で,多くのカルスト地形を現出させる。世界三大自然橋の1つに数えられる雄橋(神の橋)や鍾乳洞の白雲洞が有名。上流の帝釈天を祀る永明寺の近くには,国史跡の寄倉岩陰遺跡や県史跡の馬渡遺跡があり,昭和43年,化石や出土品を展示する帝釈郷土館(東城町)が設立された。帝釈峡一帯も国民休暇村の指定を受け,渓谷中央の竜神湖湖畔に国民宿舎が建つ。渓谷北側を中国自動車道が開通し,山陽側の諸都市から日帰りが可能になった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7190604