鮴崎港
【めばるざきこう】

豊田郡東野町，大崎上島の北東端にある港。竹原市へカーフェリーと高速艇，新幹線の駅がある三原市へ高速艇の連絡がある。その地理的位置から，古く島頭(しまがしら)と呼ばれたが，江戸期に鮴がよく釣れたことからこの名がつけられたという。18世紀後半，木江沖を通る船舶が風待ち潮待ちで寄るようになり，北前船も「たで船」のために当港を利用したという。近代に入り御手洗や木江同様，当地にも船宿があり九州と阪神を結ぶ帆船（主に石炭）が寄港。乙種港湾の当港は昭和51年に外航船（500総ｔ以下）の25隻1.1万総ｔを含む２万9,000隻312万総ｔの出入があり（うちカーフェリー１万5,000隻246万総ｔ），乗込・上陸がほぼ同数の乗降人員の計は93万7,000人で，海上出入貨物の計は449万ｔ（うちカーフェリーの自動車関係410万ｔ）で，その他の貨物は移出12.9万ｔ，輸移入19.3万ｔとなっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7191243