100辞書・辞典一括検索

JLogos

33

吉部
【きべ】


旧国名:長門

厚東(ことう)川の中流域および有帆川の支流今富川流域の残丘性の山地と丘陵および沖積低地に位置する。地名は,厚東氏3代武通の時に厚東郡吉部寺建立のことが見え,廃寺となり地名に残ったものかという(注進案)。「地名淵鑑」では県内各地の吉部・木部は,木部または紀部の仮借で,紀ノ武内宿禰を始め,その後裔が対朝鮮政策に関与して根拠地を筑紫に置き,防長と密接な関係を持ち,紀氏に属する部民が各地で紀部を称した名残だとしている。また,「地名淵鑑」は「和名抄」厚狭(あさ)郡小幡郷の遺名を吉部の大畑とし,一帯を小幡郷に比定している。厚東川支流の藤ケ瀬川に流れこむ埴生(はぶ)川(注進案では伊佐地川)右岸の丘麓(埴生山麓)に古代末期~中世初期の祭祀土器が出土。また,字黒川にある板碑は,胎蔵界大日を表すアーンクの種子を蓮台に乗せる形に彫る。下方に彫る文字は「県風土誌」に「為妙典一部供養,天文十五丙午年八月二十四日常音敬白」とある(楠町の歴史)。
吉部郷(中世)】 南北朝期~戦国期に見える郷名。
吉部村(近世)】 江戸期の村名。
吉部村(近代)】 明治22年~昭和30年の厚狭郡の自治体名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7192612