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長門峡県立自然公園
【ちょうもんきょうけんりつしぜんこうえん】


阿武(あぶ)郡阿東(あとう)町・川上村・福栄(ふくえ)村と佐波(さば)郡徳地町にまたがる公園。昭和37年3月1日県立自然公園に指定された。面積4,595haが公園区域となっており,開発等に規制が設けられている特別地域3,345haと普通地域1,250haに分けられる。長門峡は,JR山口線の長門峡駅付近の御堂原から阿武川沿いに約12km下流の蔵目喜(ぞうめき)川合流点までの峡谷と,阿武川支流の生雲(いくも)川渓谷(延長約2km)の2地域に分かれている。大正12年に国名勝に指定。四季折々の自然美を訪ねる行楽客が多いが,特に秋の紅葉期に多い。中流に近い川上村には,ひなびた湯の瀬温泉がある。川上村の阿武川ダムは,阿武川総合開発事業の一環として昭和50年に完成した重力式アーチ式ダムで,県営ダムとしては日本一の規模。近くに阿武川歴史民俗資料館が設置され,水没民家250戸が所有していた民具約2万点を収蔵・展示している。徳地町の大原湖は,佐波川上流に昭和31年に建設された多目的の佐波川ダムの人造湖。右岸には愛鳥の森,左岸には洪積世後期のトロイデ型火山である長者ケ原が広がる。長者ケ原は3.5km(^2)のなだらかな高原で,放牧場・栗園があり,春にはワラビ狩りが楽しめる。近い将来,国立少年自然の家が開設される。大原湖の左岸には滑(なめら)山国有林があり,面積2,600haの森林は藩政時代から厳しく保護され,スギ・ヒノキ・アカマツ・モミの美林地。滑渓谷は,紅葉に彩られる景勝地である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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