100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

中津江塩田
【なかつええんでん】


吉敷(よしき)郡秋穂(あいお)町東の中津江の海岸に所在した塩田。秋穂湾の東岸に位置し,南側に接して花香塩田があった。江戸期,中津江の干潟には,すでに日野・玉井両氏の拝領開作地約20町歩(畑地と塩浜)があったが,天保10年入浜式塩田の築立てを始め,嘉永3年に開作土木工事に経験の深い小野藤兵衛が浜年寄となり,明治3年頃ほぼ完成し,仮石盛によって玉井氏分浜数5町余,高206石余,日野氏分浜数5町余,高148石余となった。同6年の地券では塩田は10番浜からなり,所有者は7人で,面積15町余。同21年には9番浜となり,所有者は5人(秋穂町史)。昭和20年花香塩田とともに,その一部(4.3ha)に流下式転換工事を施し,生産向上を図ったが,同34年の第3次整理で廃止となった。現在塩田跡地は,10.2haが山口県内海栽培漁業センターとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7193850