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西中国山地国定公園
【にしちゅうごくさんちこくていこうえん】


島根・広島・山口3県にまたがる国定公園。匹見峡(島根県)・三段峡(広島県)・寂地峡(山口県)の峡谷と冠山山地(広島・島根・山口県)・寂地山(島根・山口県)一帯の西中国山地が昭和44年1月10日国定公園に指定された。県内の指定区域面積3,953haは,すべて開発等に規制がある特別地域となっている。玖珂(くが)郡錦町に大部分の指定区域があり,同郡本郷村・美和町の一部に及ぶ。寂地山(1,337m)は県内の最高峰で,山頂一帯は台状をなし,ブナ原生林に覆われて,寂地峡をつくる宇佐川の水源地となっている。寂地峡は,宇佐川上流の約3.5kmにわたる犬戻峡と,その支流にあたる約1kmの竜ケ岳峡からなる。大小18の滝があり,なかでも竜ケ岳5滝は,見事な景観をなす。渓流にはヤマメ・イワナが生息し,一帯には珍しいチョウのほかヒメコマツ・ツガ・モミ・シャクナゲ・セッコク等の植物が多い。竜頭(りゆうず)観音を祀る竜ケ岳頂上からは小五郎山(1,161.7m)・鬼ケ城山(1,030.9m)・羅漢山(1,109.1m)・冠高原・寂地高原の西中国山地を展望でき,眼下には断崖絶壁が切れ込み,その先に宇佐盆地を望める。宇佐川と深谷川の合流点付近には河川争奪地形が見られ,風隙地となっている錦町向峠(むかたお)から深谷川の大渓谷に架橋されているのが真紅の深谷大橋で,それを渡ると島根県六日市町となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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