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萩街道
【はぎかいどう】


萩城下から港町の三田尻(防府(ほうふ)市)へ至る江戸期の街道。日本海側と瀬戸内海側を結ぶ萩藩の主要道。藩主が参勤交代などに公式に通行する御成道であった。行程の方向で萩往還・三田尻往還と使い分ける場合もあった。萩の唐樋札場を起点として,御許町(おもとまち)・橋本町・椿町を通って城下を出たあと,明木・佐々並(ともに阿武(あぶ)郡旭村)を経,防長国境の板堂峠を越えて山口町へ下り,佐波(さば)川を佐波郡右田村(防府市)の舟橋で渡り,宮市(防府市)を経て三田尻の船場に至る。全長12里。明木・佐々並・山口・宮市・三田尻が駅としての機能をもち,人馬継立の業務を管理する目代所が置かれた。佐々並・山口・三田尻には藩主のための休泊施設である御茶屋,明木にはその補助的な役割を果たす御休所が設けられていた(歴史の道調査報告書萩往還)。明治31年,吉敷(よしき)郡宮野村(山口市)荒谷から佐々並村日南瀬へ通ずる八丁越の第18号仮定県道(現国道262号)が開通して山口~萩間の主要路となり,旧萩街道のうち山口市天花(てんげ)から旭村日南瀬までの板堂峠越えの難所道はいったん衰微した。しかし,昭和55年に板堂峠越えの旧街道沿いに新しく県道山口旭線が建設され,この道筋が山口~萩間の最短路線として再び利用されるようになった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7194080