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東津の渡し
【ひがしつのわたし】


旧山陽道における椹野(ふしの)川渡河の渡し。旧山陽道は,防府市石崎あたりから北西に転じ,岩淵宿・大道宿・陶(すえ)市と,国道2号と交差しながら並進し,西陶・丸尾の集落を過ぎて新幹線と交差し,現在東津橋が架かっている地点の東津の渡しから西進して津市に入り,ここより南西に進んで嘉川(かがわ)市に至る。東津の渡しは,瀬戸内の潮が入り込み,干満によって川幅・水深ともかなりの差があった。慶安2年の防長両国絵図に椹野川は広さ28間,深さ2尺,常は徒歩渡り,水出時は船渡りとあり,「注進案」には川幅およそ50間,平水は10間とあるように,満潮時・出水時は船渡し,干潮時は徒歩渡りであった。「注進案」によれば,ここには常時,御用船3艘,定渡船1艘,ほかに8~18艘の船があった。この渡場に明治5年,長さ50間・幅2間3尺5寸の木橋の東津橋が架けられ,船渡しは廃止された。東津橋は明治20年長さ75間・幅4間の木橋に,昭和8年鉄筋コンクリート橋に改架され,現在橋は長さ142.5m・幅7mの鉄筋コンクリート橋で,昭和54年4月11日に完成した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7194190