天磐戸神社
【あまのいわとじんじゃ】

美馬郡一宇村法正にある神社。祭神は天手力雄命。剣山山渓に囲まれた山間部の法正山中腹に位置する。創祀は未詳，往古は忌部神社（麻植(おえ)郡山川町山崎，山崎忌部神社）の摂社であったと伝える。７寸５分の木彫天照大神像を安置し，土地では昔から天照大神を主神と信じてきた。本社から150mほどの山頂には「古事記」「日本書紀」にみえる神話の天岩戸と伝えられる岩窟があり奥社となっている。また神楽石といわれる約100人が立てる四角い平面の岩や高天原と称する所もあるなど，神話の各所を裏付ける条件を具備する自然的環境を保っている。付近には当地一帯に密集する青石で彫られた猿田彦命と天宇受女命の石像も並んでおり，また山の周囲には数か所に祠の跡がある。例祭は10月11日。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7195068