100辞書・辞典一括検索

JLogos

24

阿波井神社
【あわいじんじゃ】


鳴門市瀬戸町堂浦字阿波井にある神社。旧郷社。祭神は天太玉命・大宜都比売命。旧称は阿波井大明神。鳴門市北部の島田島の南端に位置し,内海を望む。創祀は未詳。もとは粟井と記され,正保2年に阿波井に改めた(鳴門戸辺集/鳴門市史中)。阿波国造であった粟凡直の廟かとする説もあるが(阿波志),詳細は未詳。寛正6年古跡谷というところへ遷し,天正13年に現社地へ遷座した(鳴門戸辺集/鳴門市史中)。細川氏以降,堂浦の吉祥寺が別当となった。三好氏も弓・剣等を奉納したと伝え,江戸期には徳島藩主蜂須賀氏累代の崇敬社として,藩主の社参や社殿の修復,奉納等があった。寛保神社帳には「堂浦 阿波井大明神 別当堂浦吉祥寺 巫女伊勢 神主同市大夫」と見える(続徴古雑抄1)。吉祥寺は板野郡大谷村(現鳴門市)の東林院を本寺とする真言宗寺院であった(寛政3年阿波国古義真言宗本末帳/江戸幕府寺院本末帳集成)。明治6年郷社に列した。例祭は10月9日でこの日から同月21日までの秋祭りには神輿の水中渡御がある。お旅所が対岸の吉祥寺にあり「千才楽,万才楽」の掛け声も勇ましく,小鳴門海峡の急流にいどむ漁師町特有の豪快な祭りで,昔は海峡の激流を泳ぎ渡ったが,今は渡御船も使う。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195081