100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

一宮神社
【いちのみやじんじゃ】


徳島市一宮町西丁にある神社。旧県社。祭神は大宜都比売命・天石門別八倉比売命。古くは一宮大明神と称した。地元では一の宮さんと通称される。県道神山鮎喰線の北側に位置する。開運・安産の神,農工商業の神として信仰される。また明治の神仏分離まで四国八十八か所霊場第13番札所であったため,現在も遍路の参拝が多い。創建年代については諸説あり,「延喜式」神名帳名方郡条にみえる名神大社「天石門別八倉比売神社」だとも,一宮城築城にあたって一宮成宗が名西(みようざい)郡神山町にある上一宮大粟神社の分霊を勧請したとも伝える。一宮成宗は,承久3年に阿波国守護となり,その後一宮大宮司を称した小笠原長宗の子で,以後小笠原氏が大宮司として代々奉祀した。一宮城下にあったため天正年間にはたびたび兵難にあったという。蜂須賀家政入国直後に一宮城を居城としたことから,当社はその嫡子至鎮の産宮として歴代藩主の崇敬を受けるようになった。祭事料米・神馬などが奉納され,社殿の造替が行われた。また蜂須賀氏は一宮城主小笠原氏代々の霊を若宮明神として境内に祀り,その末裔を一宮大宮司としたという。寛保神社帳には「一ノ宮村 一ノ宮大明神 神主一宮村笠原藤内 宮坊一宮村大坊」とある(続徴古雑抄1)。別当は大日寺が勤めた。本地仏は行基作と伝える十一面観世音で,明治維新の神仏分離に際して大日寺へ移し本尊とした。明治6年郷社に列格,昭和17年に県社に昇格した。現社殿は寛永7年に2代藩主忠英が造営したもの。社前の小川には蜂須賀氏が寄進したという太鼓橋が架かっている。例祭は10月18日。春祭には「湯立て神楽」が奉納される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195191