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宇佐八幡神社
【うさはちまんじんじゃ】


鳴門市撫養(むや)町黒崎字八幡にある神社。旧郷社。祭神は応神天皇・仲哀天皇・神功皇后。創祀未詳。もと八幡祠と称し西方の八幡山山麓にあった。慶長4年徳島藩祖蜂須賀家政に招かれ,播磨国よりこの地に移住し塩田を開いた馬居七郎兵衛らの発願で,現社地に遷座して社殿を拡大した。同時に豊前国宇佐八幡宮の分霊を勧請して合祀し,社号を宇佐八幡神社と改め,斎田・黒崎両村の氏神として奉斎した。寛保神社帳には「黒崎村 宇佐八幡 別当黒崎村西田寺」とみえる(続徴古雑抄1)。西田寺は板野郡矢武村(現板野郡板野町)にある荘厳院地蔵寺を本寺とする真言宗寺院であった(寛政3年阿波国古義真言宗本末帳/江戸幕府寺院本末帳集成)。明治5年郷社に列した。例祭は10月15日。その前々日の精進入の夜に「お御供」という神事が行われる。元禄年間頃から続いており,盛装した御当家の女性が「はんぼ」に餅・酒などの供物を入れ頭にのせて神殿に進む。本殿に上がれるのは女性だけという全国的にも珍しい特徴を有し,県無形民俗文化財の指定を受けている。昔は真夜中に行われ,処女のみが奉仕できたという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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