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宇志比古神社
【うしひこじんじゃ】


鳴門市大麻町大谷字山田にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は宇志比古尊・八幡神。明治期以前は八幡宮と称した。現在も地元では大谷の八幡さんと呼ばれる。創祀は未詳だが,「延喜式」神名帳板野郡条にみえる「宇志比古神社」に比定される。その後天正年間に長宗我部元親軍により社殿・旧記・宝物類を焼失,のち再興したという。「奉造立三間四面清舎一宇各願成就所……本願権少僧都継良権律師継乗」と記された慶長6年8月11日銘の棟札を有しており(板野郡誌),この頃再興されたのであろう。寛保神社帳には「大谷村 八幡宮」と記され,大宮と称し,13か村(大谷・池谷・松村・高畑・三俣・市場・西馬詰・中馬詰・東馬詰・牛屋島・新喜来・西高房・東高房)の氏神であった(続徴古雑抄1)。また「本願大谷村東林院 神主同村能田対馬・能田丹波」とみえ(同前),隣接する東林院が仏事を営んだ。明治3年の式内神社取調べに際し,宇志比古神社として届出て,認められた。同5年郷社に列格。例祭は10月8日。なお,式内社宇志比古神社の所在地を板東の牛宮にあてる説もある(阿府志/県史料2,阿波国式社略考)。また,当社の氏子区域を石清水八幡宮領堀江荘にあて,石清水八幡宮の別宮とみる説もある(鳴門市史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195274