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宇奈為神社
【うないじんじゃ】


那賀郡木沢村木頭(きとう)字内ノ瀬にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は豊玉彦命・豊玉姫命・玉依姫命。古くは十二社権現・内瀬権現とも称した。現在も十二社と呼ばれる。那賀山荘内の最古社といわれ,国道193号の東側に位置する。創祀は未詳だが,宇奈為は海居のことでその神は海神綿津見神であるともいわれる(阿波志)。祭神豊玉姫命・玉依姫命はともに海神豊玉彦命の娘であり,海との関りが推定される。「延喜式」神名帳那賀郡条にみえる「宇奈為神社」に比定される。平安末期に藤原氏の子孫で紀伊国豪族湯浅権守俊明(仁宇氏祖)が仁宇の地を領するにあたって,熊野十二社(所)権現を当社境内に勧請,その後乾元元年に山伏の不動院性金が住して熊野十二社(所)権現を主として奉祀したところから,宇奈為神社十二社権現と称するようになったという。天正10年長宗我部元親の兵火にあい焼失,嘉永年間に再度火災にあった。現社殿は安政3年に再建された。寛保神社帳には「木頭村 内瀬権現〈十二社権現トいふ〉神主木頭村宮大夫 別当同村山伏不動院」とある(続徴古雑抄1)。明治になって宇奈為神社と改称,明治5年郷社に列した。社宝として宝治2年銘の鰐口,神鏡,宝剣などを有する。例祭は11月1日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195293