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馬岡新田神社
【うまおかにったじんじゃ】


三好郡井川町井内馬場の西にある神社。旧郷社。祭神は埴山姫命・倉稲魂命・天神玉命・大己貴命・少彦名命・水波女命・安徳天皇・新田義治。古くは埴山比弥神・馬岡祠とも称した(阿波志)。井内谷川上流の山間部に位置する。創祀は未詳だが,寿永2年頃に安徳天皇を,また天正19年に新田義治を合祀したという。当社神職の先祖千日太夫が大永2年に記した旧記書に「波尓移麻比弥神社馬岡大明神」とあるところから,当社を「延喜式」神名帳美馬郡条にみえる「波尓移麻比神社」だとする説もある。寛保神社帳には「東井内谷 馬岡新田両大明神 禰宜井内谷備後大夫」とある(続徴古雑抄1)。社宝の御神鏡は縁に「波尓移麻比弥神社御神鏡」の銘をもつ。ほかにも背に「埴山姫神社」と彫刻された木鳥や「正治二申年五月吉辰日大工藤原高綱」と記された竜頭などの社宝を有す。検地帳には「土器面」「加護面」「宮田」「宮地」「神谷」など,当社にゆかりの地名がみられる。また社前の神池や立石も古社のおもかげを伝えている。明治5年郷社に列し,馬岡新田神社と改称した。例祭は11月3日で,当日の神輿渡御では元禄期から伝わる大名行列がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195298