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大宮八幡神社
【おおみやはちまんじんじゃ】


名東(みようどう)郡佐那河内(さなごうち)村下字高樋にある神社。旧郷社。祭神は八幡大神・足仲彦天皇・姫大神・高良大明神・息長帯姫命・大鷦鷯尊・蓬道稚郎子尊。園瀬川北岸の河岸段丘に位置する。豊前国宇佐八幡宮の神託を受け和銅元年に宇佐八幡の神霊を勧請して創建したと伝える。遷座に際しては佐那大人猪飼真人らが迎使として宇佐に赴き,神主として長国造が奉仕したという。中世には阿波国守護細川頼春とその一族が崇敬し,頼之は神楽太鼓を寄進し,詮春は神田を寄贈,持常は流鏑馬の馬具を奉納したという。「阿波志」に「八幡祠 大宮と称す 中辺村にあり 嘉慶二年源頼之楽器を納め 宜春神領村を以って神戸と為す」とみえる。細川氏の祈願所と定められ,細川氏歴代の崇敬を受けた。三好氏も毎年鳥目5貫を献納し,徳島藩主蜂須賀氏も入国以来崇敬し,毎年神事料として玄米1石2斗を奉納するなど,歴代領主から信仰された。寛保神社帳には「下佐那河内村 大宮正八幡 神主下佐那河内村勘大夫・孫大夫」とみえる(続徴古雑抄1)。また末社として「妙見」を擁し,これら2社を含め計6社が「佐那河内総氏神祭礼八月十五日」と記されているところから(同前),領主ばかりでなく,庶民の信仰も集めていたことがうかがわれる。明治5年郷社に列した。例祭は10月15日。旧暦7月15日には小祭があり,御神踊が行われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195492