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賀茂神社
【かもじんじゃ】


阿波郡阿波町字新開にある神社。旧郷社。祭神は瓊々杵尊・意富加牟積尊・天穂日命。古くは別雷祠・賀茂大明神とも称し,徳島藩主蜂須賀氏の崇敬社であった。吉野川北岸の低地に位置する。創祀は未詳だが,寛保神社帳には「久千田村 加茂大明神」とみえる(続徴古雑抄1)。「阿波志」に「別雷祠 朽田村に在り 旧中野村に在り 貞享元年ここに移す 越智通玄偃月刀一枝を納む 備中水田源国重造す 又春日祠稲生祠鎮守祠有り」とある。もと中野村に鎮座していたが,町内伊沢市の住人河野六郎太夫の発願により,貞享元年に現在地へ移し賀茂神社と称するようになったという。翌2年に徳島市の竹林院を開創した黄檗宗僧鉄崖が,当時臨川寺住職として遷宮に関与し,棟札は鉄崖の書である。明治5年郷社に列した。鳥居の前には祭神が落雷を伏せこんだとの伝えをもつ緑泥片岩の岩板がある。例祭は10月21日。春祭りには射儀が行われ,農具・苗木などの露店が立ち並ぶ賀茂市が開かれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195706