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鴨神社
【かもじんじゃ】


三好郡三加茂町加茂山の上にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は別雷命。式賀茂大明神とも称した。加茂山麓付近に位置し,東側に加茂谷川が流れる。当地は京都の賀茂別雷神社の社領で,平安期末頃から福田荘と称した。当社は鎮守として延喜元年に賀茂別雷神社の分霊を勧請したと伝える。「延喜式」神名帳美馬郡条にみえる「鴨神社」に比定される。付近には加茂山・加茂谷川が存し,加茂谷川上流には貴布禰神社もあるところから,京都の賀茂の地を模したのであろう。福田荘成立後は,賀茂別雷神社摂社の神官が毎年神事を奉斎したという。天文13年に社殿が再興された(棟札銘/三好郡志)。江戸期には徳島藩主蜂須賀氏が崇敬を寄せ,雷除・武運長久・家内安全を祈願した。寛保神社帳には「加茂村 式賀茂大明神 神主加茂村白川信濃・長太夫・助大夫・権之進」とみえる(続徴古雑抄1)。明治3年鴨神社と改称し,郷社に列した。例祭は10月15日でその晩にしめあげ神事(町無形文化財)と呼ばれる神おくりが行われる。また社蔵の慶長年間の鰐口や江戸末期の三十六歌仙画も町文化財に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195707