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川島神社
【かわしまじんじゃ】


麻植(おえ)郡川島町川島字城山にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命・息長足姫命・足仲彦命・天日鷲命・菅原道真ほか。市街地の北に位置し,西を吉野川が流れる。境内には阿波九城の1つ川島城跡があり,現在は川島公園として整備されている。もと宮島の宮の本にあった浮島八幡宮を中心に,旧川島町内の44の神社を合併して,大正5年現在地に創建された。浮島八幡宮は,白鳳2年の創立と伝え,「延喜式」神名帳麻殖郡条にみえる名神大社「忌部神社」に擬する説もある。もとは八幡宮と称したが,幾度かの洪水にも沈まず浮いているようにみえたことから,浮島八幡宮と称するようになったという。往古より川島保の領主や地頭,川島城主の崇敬が篤かった。文禄3年川島城主林道感が,朝鮮出兵から帰還の折に刀剣・馬具等を奉納した記録がある。寛永6年再興の棟札には,河島保内八幡宮とみえる。江戸期には徳島藩主蜂須賀氏の家老で当地に知行地をもつ稲田家累代の武運長久祈願所として,毎年御供米等の奉納があった。明治5年村社に列格,同41年神饌幣帛料供進社の指定をうけた。しかし鎮座地の宮島を含む善入寺島が,吉野川改修工事のために移転することとなり,大正4年善入寺島内の大山祇・厳島・豊受・猿田彦・天満の5社を浮島八幡宮に合祀した。さらに大正天皇の即位礼挙行に伴う記念事業として城山の現社地に社殿を新築,翌5年遷座し,併せて旧川島町内の神社を合祀し川島神社と改称した。当時の神社合併の機運に伴う合祀社だけに社地は森厳の様相を呈し,社殿も宏壮な構えである。昭和18年郷社に列した。10月22日の例大祭には,神饌舎で忌火で調製した75品の供物が氏子総代の手によって神前に供されるという県下稀な「七十五膳の神事」が行われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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