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国瑞彦神社
【くにたまひこじんじゃ】


徳島市伊賀町1丁目にある神社。旧県社。祭神は蜂須賀家政ほか歴代藩主。「くにたまさん」と呼ばれる。眉山東麓に位置し,境内には徳島県下の神社を包括する徳島県神社庁の庁舎がある。文化3年徳島藩主蜂須賀治昭が,藩祖家政をしのび国瑞彦の神号を受けて伊賀町の八幡神社の北隣に祀ったことに始まる。藩主蜂須賀氏より篤く崇敬され,江戸期には祭祀料として銀3貫10匁の奉納を受けた。明治維新後は祭典諸費金300円が奉納され,社殿修復なども蜂須賀氏が行ったという。鳥居から神門にかけて城の枡形を思わせる境内は,1.8mの石垣と堀をめぐらし武具庫のような土蔵の神庫や勤番所などがあり,祭礼の際槍や薙刀・火縄銃を立て並べた。明治4年最後の藩主茂韶が東京へ移転するにあたって,家政の父正勝以下歴代藩主と有功の士92人の霊を合祀した。明治7年郷社に列し,同12年県社に昇格した。例祭は10月24日。戦後境内の様相は一変し,水をなくした堀の奥には古い拝殿と耐火造りの本殿を残すのみとなり,大きな石灯籠がわずかにその面影を伝えている。なお当社に合祀されている竜王宮はもと城山にあって,「延喜式」神名帳名方郡条にみえる「天石門別豊玉比売神社」に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7195906