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御所神社
【ごしょじんじゃ】


板野郡土成(どなり)町吉田字椎ケ丸にある神社。祭神は素盞嗚命・土御門天皇。国常立命ほか19柱を合祀する。古くは吹越天王社と称し,吉田岡の山に位置した。永禄年間に原田吉富・三木景久が勧請したと伝える。元禄9年現社地に遷座した。寛保神社帳には「吉田村 吹越天王〈可尋〉別当吉田村神宮寺」とみえ,「元禄九年古宮ヨリ城山領ニ移ス」と記されている(続徴古雑抄1)。神宮寺(土成町吉田)は高野山真言宗で医玉山持光院と号す。本尊は薬師如来,大同年間空海の開基と伝え,板野町矢武の荘厳院を本寺とする。同寺所蔵の絹本着色千手観音像及び二十八部衆像三幅は鎌倉末期の作と推定され,ともに県文化財。他にも黄檗版の大般若経六百巻などを有す(土成町史下)。大正2年に村内26社を合祀し,昭和32年に吉田御所屋敷の御所神社を合併して土御門天皇を主神とし,社名も御所神社と改めた。例祭は10月18日。地元の人々は御所屋敷の地が土御門天皇の嘉禄3年から寛喜3年までの行在所と信じ,「菅ノ井」「前の井」という古井戸や,一条・二条・五条・七条・御炊所・遊塚・姥塚・山皇子などの地名が残る。なお御所屋敷跡は町史跡。また町内宮川内の上畑にある御所神社(祭神土御門天皇)も天皇崩御の地といわれ,御神石の中凹の水は稲の害虫除に霊験ありとして阿波・讃岐の農民から信仰された。付近には大鼓坂・鍋倉(局の名)・長倉(局の名)など天皇ゆかりの地名も残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196039