境目
【さかいめ】

界目とも書く。阿波郡市場町大影と香川県白鳥(しろとり)町五名との県境。標高約220m。主要地方道津田川島線が通じ,本県側では,麻植(おえ)郡鴨島町へ1日4便,香川県側では,大内(おおち)町の三本松へ1日3便のバス便がある。本県側には県天然記念物(昭和35年9月指定)であるイチョウの大木(メス株)がある。高さ約25m,幹の周囲約8m,樹冠は15,6mに広がり,樹齢は約500年という。支幹との分かれ目から無数の小乳が垂れていて,これを母乳に見立てて古くから女性の信仰が篤い。県下で6番目の大木でもある。また,ほぼ県境の位置に大きな石柱があり,「大くぼ寺へ一里余 大正十年六月吉日 世話人 国方長三郎 中村梅吉」「八十八番奥の院与田寺 弘法大師御再来遺跡 へ三里 白鳥神社へ四里 三本松ヨリ毎日午後二時大阪神戸むやへ汽船でます」「為二百七十九度目巡拝紀念 周防国大島郡椋の村 願主 中務茂兵衛義教」と刻まれている。四国霊場八十八か所巡りの第88番目の札所大窪寺(香川県長尾町)に達した巡礼たちは,再び大影を経て阿波の国へ戻り,10番札所切幡寺(市場町)から1番札所霊山寺(鳴門市大麻町地区)へ巡って,そこから総本山の高野山へお礼参りに赴くという。境目から切幡寺へは約16kmである。香川県側から南流する日開谷(ひがいだに)川に沿う津田川島線は,境目から約20kmで麻植郡川島町川島に至り国道192号に連絡し,約17kmで津田(香川県津田町)に至り国道11号に連絡する。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7196104 |





